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知って備える相続不動産のページ

個々のケースで必要な項目だけセレクトする場合はインデックスからどうぞ…

相続登記の時にこうしていたらよかったのになぁ…」相続した不動産の売却相談を受けた際、何度もつぶやいた言葉です。とはいえ、遺産分割協議や相続した不動産の相続登記手続きの段階で、不動産業者に相談する人はすぐに売却する場合くらいだと思います。このページでは、相続した不動産の登記から、将来売却するまで保有する間に於ける、”諸々の留意点”や”事前に、知っておいていただたけたら”と思う各項目をトピック的に書き綴っているものです。あくまでも、相続した不動産を売却する現場に立ち会う機会が多い、不動産業者の立場でレクチャーという切り口です。必要があれば、項目を随時増やしたり、既存項目に加筆もしています。随所に法律的な内容等がついてまわる為、どうしても長々とした文章になりがちで、個々の事情に直接関係ない箇所もあると思います。そこで、ご自身のケースで当面、ここだけ知りたい」という項目や気なる事項だけをピックアップしやすいように、別ページで相続不動産の発生から3段階に分けて、ポイントを整理してあります。よろしければ、最初にインデックスでご自身のケースにあてはめて確認していただければと存じます
インデックスはこちら 

はじめに…本ページの主旨~相続全般に関する法律的フローの説明ではありません~

相続が発生して、実際に遺産分割協議に取りかかれば、様々な疑問や迷うことが出てきます。適切な対応をしなかった場合、後で税金や法律的な問題が生じる場合もあります。ここでは、不動産の相続が発生した際、将来的には売却することを前提として、あくまで不動産業者の立場から後のち後悔しないようなポイントをご提示し、少しでも”相続不動産のオーナー"さんの参考になればという思いで公開しております。従って、相続発生に伴う、広範囲な法律的アドバイスという視点ではありません。実際に相続が発生したら、遺産分割の進め方は個々の事情で変わってきますし、色々な法律が絡んだりして単純にはいきません。不動産業者の知識の範疇では対応しきれません。遺言書の取扱いひとつにしても、正式な公正証書ではないメモ書き程度のものが、裁判所へ”検認”の判断を仰いだ結果、遺言書として法的に有効になることもありますし。ノートの切れ端に書かれたモノだからといって、安易に捨ててしまえば最悪の場合、法律に触れる恐れや、兄弟間・相続人間で裁判ざたということもあり得ます。そうなれば、必然的に余分な費用も少なからずかかってきます。遺産分割協議等全般に関する、トータルな個別ケースでのご相談は、法律の専門的な有資格者や公的機関にお尋ね下さい。
 

知らないと損する!「不動産の相続登記関連」不動産業者からのアドバイス

 スムーズ1 法務局のレクチャー通りに申請しても売却時に後悔することが !
 
後で後悔しない不動産の相続登記に関するポイントとしては、「 常識が非常識?」という感覚も必要かもしれません。不動産の相続に関する登記は、従来、専門業務に携わる資格者たる、司法書士等に任せることが多かったのですが、最近は、地方法務局の対応も格段に親切になったことと、インターネットでも、かなりの実用知識を得られるようになったせいか、一般の相続人が法務局に赴いて相談担当者に聞きながら、自分で相続登記の申請を行うケースが増えてきました。もちろん、司法書士に支払う報酬が節約できますので、それに越したことはありません。一方で、相続不動産の売却に接する機会が多い、不動産業者の立場からすると、実際の売却の際には、余分な費用がかかる登記をしているケースに良く遭遇します。無論、法務局の相談員に言われた通りなら、法的には問題ありません。なのですが、そこは、やはり公務員なので、原則と聞かれたこと以外の余分な配慮、例えば将来売却する可能性が強いならこうした方がいいとかは、言わないということが肝です。もし、商売に直接結びつかなくても、不動産業者に相談されれば、こちらから聞きながらベターな選択肢をレクチャーできるのですが、さすがに、相続登記後即、売却を検討する場合を除けば、普通はいちいち不動産屋に聞いたりしませんよね。以下、不動産を相続した人がごく普通に直面し得る事例と注意点を挙げてみました。 
   
 
スムーズ2 相続登記によっては売却時に2度手間になるこんなケース !
 
せっかく相続登記を済ませても、後に売却することになった場合、相続登記の仕方によっては売却する時点でさらなる登記を行なければならないことがあります。その最たるものが建物未登記部分の表示変更登記です。これは相続を受けた不動産の建物が新築後、増築したり倉庫や物置などの付属建物を建てた際、登記をしていなかったものを、そのままの建物面積で相続登記してしまったケースです。その場合、売却時には当然、費用と手続に時間がかかります。もしその時、売却代金の受取りを急ぐような事情があったとしたら、本来は相続時にいっぺんに済ませられた余分な登記手続きを行っている間、代金を手にすることができませんので、深刻な問題になります。未登記漏れは要注意です!
 
スムーズ3 法務局の相談員は建物の未登記が分かっていてもスルーすることがある・・・
 
法務局に聞きながら相続登記を申請した人でも、未登記の表示変更をしない売主さんを結構見かけます。ある物件を当社で買取った際の売主さんは、法務局に何度か通い、自分で相続登記を行いましたが、建物の未登記がありました。この物件の評価証明には、未登記の”車庫”が登載されていて、法務局の担当者は未登記があるのを承知していた訳ですが、表示変更の登記を相続登記と同時に済ませることを勧めなかったそうです。つまり、この不動産を売却する際の、デメリットを見通していなかったか、あっさりスル―したということになります。もっとも、司法書士に報酬を支払って相続登記を依頼しても、同様な判断を下すこともあり得ます。売却を全く考えていない人ならともかく、実際に先のお客さんのような状況になったら、「 常識が非常識?」と呟きたくなるのではないでしょうか。まずは、評価証明に未登記分があるかどうか、必ず確認することが重要です。
  地下車庫は登記が必要なものが多い?
 
スムーズ4  ”自分で出来る!” 建物の未登記を調べる方法 ・・・
 
登記上の建物面積が増築未登記により、評価証明と違っていたり、付属建物などの未登記分があれば、表示変更登記の作業は家屋調査士になります。司法書士に相続登記を依頼しているのであれば、家屋調査士に継いでくれます。問題は、固定資産の評価に登載されていない場合です。つまり、市町村で課税対象にされていないものでも、厳密には、登記が必要な未登記分があるということです。では、どうやってそれを調べるのか…ということになりますが、家屋調査士に頼めばOKです。ただ、家屋調査士に調査を依頼するまでもなく、未登記の必要がないとわかる物件なら、不動産業者と違って、出来高で実費を取られることになりかねませんので、できれば、下調査だけでも自分で実施し、未登記の可能性が高いようなら、改めて家屋調査士に相談するという手順がベターかと思います。
 
では、その下調査の方法ですが、法務局添付の建物図面と現況を現地で照合すれば、増築分が登記されているかどうかは分かります。ほか、建物と一体化している駐車場は登記義務がある場合が多いのですが、後付けのサンルームは微妙です。原則として、基礎工事がされ、壁と屋根を存するかどうかが登記義務の基準となっています。
 
スムーズ5 なぜ”未登記家屋”があると売却の時に支障があるのか・・・?
 
「未登記があっても知合いはそのままで売却できたんだけど…」 時折、未登記分をそのままにして相続登記を済ませたお客さんが、売却時にこのようなお話をされることがあります。結論を言えば、「未登記があってもいいよ」という買い手が手持ち資金で購入されるのであれば、所有権移転登記は出来ますし、売買の取引き自体も問題ありません。ところが、買主が住宅ローンを組む場合は、抵当権を設定する銀行や保証会社が未登記分の表示変更登記を要求というか、条件にしてきます。言い換えれば、自己資金で買う人にしか売れないということになります。もっとも、厳密にいえば、未登記建物・箇所の内容や極端な話、銀行によって必ずしも、対応が一律とはいえませんが…。ただ、融資する側からすれば、担保物件の審査をする上で、未登記があるか否かは”不適合担保"を判断するイロハのイに位置付けているので、買主が住宅ローンを利用する際は、未登記分があれば表示変更登記を要すると思っていた方が無難です。では、不動産業者が買い手の場合はどうかいえば、転売する時に住宅ローンを組む人が買うのであれば同様なので、仮に業者が融資を利用せずに買取るとしても、表示変更の登記は必要と考えた方がよいと思います。例外として、倉庫などの未登記家屋は買取ってから取り壊して再販するケースもありますが、とにかく、売却時の面倒を踏まえれば、相続登記に連動して未登記があれば表示変更をしておくに越したことはありません。
 
スムーズ6 相続登記後に未登記分の変更登記は簡単ではない・・・
 
まさに、実際の売却時において、本来は相続登記の際に行うべき未登記分の表示変更登記を申請するのは、そう簡単な作業ではありません。既に述べた通り、手続するのは通常、家屋調査士になりますが、かなり頭を悩ませることが多いのです。モデルケースとして、相続登記後、事情により1年後に売却という状況を想定してみます。まず、登記申請を受ける立場の法務局の見解を推測します。相続が発生して、そう時間が経過していない1年前に相続登記をしたのであれば、登記申請した相続人が存命のままと考えるのが普通ですから、その際の表示変更は、相続登記時にさかのぼって相続人すべての同意のもとに再申請されるのが筋と捉える可能性が大です。そしてその意味するところは、相続時の遺産分割に関わる合意の一部変更というわけで、すなわち、手続としては遺産分割協議書の一部やり直しに準じます。その場合は当然、相続人すべての”実印"”印鑑証明書"が”再度”必要になります。
仮に相続不動産を、他の相続人が放棄した上で名義を登記したとしたら、放棄した兄弟などの他の相続人に再度、”実印"”印鑑証明書"をお願いすることになります。一度実印をついたものに、再度というのはなかなか二つ返事というわけにはいかないでしょうから、家屋調査士には何とか他の相続人から”実印"”印鑑証明書"抜きで手続できる方策はないかと、相談することになります。売却に携われば不動産業者も、なにかと悩みを共有する立場を経験します。そういった経験上から申せば、個別のケースで手続の進め方も方向性も変わってきますし、依頼する家屋調査士によっても問題解決の度合いが違ってきます。よって、なるべく融通がきいて、かつ法務局に”物言える”家屋調査士へ相談することが望ましいと思います。
 
スムーズ7 共有登記は慎重に!売却には全員の同意必要!兄弟6人共有登記の場合、売却の時、足並みが揃うか?
 
相続した不動産を共有持分で登記した場合、当然ながら、将来の売却時には共有者全員の同意が必要になります。相続不動産をいずれ売却ということを前提にすれば、遺産分割協議に際し、まずはこのことを十分、把握することが重要です。これは、”いずれ売却”の”いずれ”がいつになるかでだいぶ様相が違ってくると思いますが、大抵、共有者は兄弟になるので、物理的に考えても時間が経てば経つほど、それぞれの事情に変化が生じる頻度は増します。長く所有すれば、結婚や離婚、健康上や経済上の問題、あるいは再相続が発生することもあり得ます。不確定要素をいちいち挙げていたらキリがありませんが、要は、換金性を阻害しない最低限の想定だけでもしておくのとしないのとでは、来たるべく相続不動産売却でスムーズ度が違ってくるということです。極論すれば、兄弟が多く5人、6人の共有になるとか、兄弟間の仲が極めて悪い場合などは、相続財産の預貯金と不動産の按分で調整できれば、不動産の持分は兄弟のうち一人で、という選択肢もあります。兄弟間の仲が良くても、共有者が3人以上だと、売却の時期・価格等の諸条件すべてに足並みが揃うというのはなかなか・・・。というのが、相続物件の売買取引きに関与してきた業者として実感です。
必要な時に相続不動産が換金できない”最悪”のケース?
 
スムーズ8 「不動産は長男、預貯金は次男」パターンの相続登記時の注意点
 
将来、共有者の誰かが何らかの事情で、至急まとまったお金が必要になり、だれも住んでいない空家のついた相続不動産を処分して換金しようとした際、他に共有者が4人いたとしたら、1人くらいは頑なに売却に同意しなくても不思議ではありません。何らかの理由で急に売却の必要性が生じた時、もし他に同意をもらう人がいなければ、一番問題なしです。そこで、例として、500万円の預貯金と、500万円位で”売れそうな”と思いこんでいた不動産(親の住んでいた一戸建て)を、男兄弟二人で相続したとします。長男はその時点でお金に余裕があり、次男は住宅ローンを抱え、貯金はゼロで生活が苦しい状況です。長男は、独身でマイホームも持っていないこともあり、ちょうど不動産の価値と預貯金がほぼ同じという”認識”だったので、自分は不動産を、弟は預貯金を相続することで遺産分割協議を終えました。それから何年も経たないうちに、結婚して勤務先に近いマンションを購入したとたん、リストラにあって子供の教育費やらなんやで生活が苦しい為、相続不動産の売却を決意。しかし、いざ売ろうとしたら500万円どころか、接道に問題があり再建築の際に建築確認が取れない物件で、いくらでいつ売れるかわからない始末…。その結果、住宅ローンを滞納し続け、マンションは競売で人手に渡り、転勤もうまくいかずとなれば、最悪、自己破産の可能性もあります。不動産業者の立場としては、相続した不動産は全く売る予定がなくても、事前に最低限度の査定額を把握されてから、遺産分割を進めていただきたいと思う次第です。
 
 
      
 売却額の想定は事前に! 千葉県内でも売却時に値が付かない物件があります…
 
前項の例で挙げた、再建築不可の瑕疵を有する物件以外にも、今の不動産流通市場では、売却査定における査定額が出せない場合がかなりあります。要するに、当該物件の購入層が全く読めない為、売れるであろう金額が分からないということです。以前では考えられないことではありますが、実際に市場に出しても4,5年売れない物件は、郊外を主としてざらにあります。問題は、相続が発生して預貯金は等分、不動産は法定按分での持分共有登記ではなく、「預貯金を次男が不動産は長男が」、という具合に分けた場合です。将来、不動産を売却しようとした時、売れないような不動産であったとしたら、やはり不公平感は生じるでしょうし、そもそも値がつかないようなものなら預貯金の現金で法定分を取っておけばよかったと思うのが自然です。相続した不動産は売る売らない別にして、なにしろ、遺産分割協議の段階で”換金性”を事前に概ねでも把握・想定することが、後で後悔しないポイントとなります
 
       
 

関連トピックス ⇒えっ?公有地が事実上”無償譲渡”の上、建設費補助金付?

白子町でここまでの”定住者対策”をせざるを得ない意味と近隣地所有者への影響

”タダ”の土地と対比する時代?
流通市場で値の付かない土地が出る本質は、その地区で”新たに家を建てて住む”需要層がほぼ存在しないという背景が大きいと思います。それは一時的なものではなく、ピンポイントな特殊事情だからといったレベルでもない気がします。その実感が最も”数字的”に把握できるのが各市町村の自治体です。なにしろ、他の県や市町村からの転入世帯数、固定資産税の課税対象となる新築家屋数が目の前に現実を叩きつけてくれます。人口減少も自治体の存続に係る懸念がつのれば、行政として何らかのリアクションを起こさざるを得なくなります。白子町が一昨年から打ち出した取組みは、一定条件のもと、住宅建設用地として町所有の土地を無償貸与後、10年後に無償譲渡というもの。なりふり構わない感もしますが、町としては単なる人口減少というより、”若年層世帯”が増えないことが、どれだけ深刻な事態なのか自覚した故だと思います
外房長生郡市の白子町は九十九里浜に接した、いわゆる”最寄り駅を持っていない”立地であり、当然、津波のリスクも抱える地域ではあります。しかし、同じ長生郡市の長生村から、北は匝瑳市あたりまでの広域にわたる、九十九里浜隣接地域を持つ自治体は、ほとんどが類似条件を有しています。今後、このような事業が周辺自治体にも波及するようになれば、近くの土地所有者にとっては、”この辺の地べたはタダ”という先入観と対峙する可能性も否定できません。最悪、流通市場で何年かけても、いくら下げても売れない土地のエリアが増す恐れも考えられます。もし、対象地区の近くに相続物件(特に更地)をご所有となった場合、実際の換金の際にどのような影響が及ぶか、この類の事業への申込み状況を含め、注視が必要かもしれません。白子町の”マイホーム取得手助け事業”については、千葉日報の記事をアップしました。よろしければ参照下さい。

25.1.6千葉日報白子 

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チェック

 流通機構でご所有不動産近隣の事例を検索します・・・
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①本サービスは、当社加盟流通機構の東日本レインズによる、登録物件の成約と販売(売却登録済で未成約)の検索結を、ご所有不動産の将来的ご売却相談の一環としてご報告するものです。
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⑧ご所有している複数の不動産をご依頼いただく際は、必ずご依頼1件ごとにフォームを送信して下さい。
スムーズ9 不動産を相続したら必ず所有しておいてもらいたい書類等…
 
相続した不動産の相続登記が終われば、従来のいわゆる”権利証"にあたる「登記識別情報」が手元に届きますので、当然失くさないように保管するのは言うまでもありません。従来と一緒で、紛失しても絶対に再交付されません。司法書士によって、「登記識別情報」の綴り方が様々な上、ほとんどA4サイズの書類なので、どれが従来の"権利証"にあたるのか、よく確認しておくことも重要です。場合によっては、数十年金庫にしまっておいて、売却の時まで見ないかもしれない書類ですから。売買の登記移転当日に、”権利証”に相当するものを勘違いして、ホンモノをなくしてしまったというのは、昔から結構ありましたので…。目印としては下部に目隠しのシールが貼ってあります。
ただ、昔に比べるとある意味、”権利証”の位置付けが多分に変容した感がします。端的に言えば、失くした際の大変度が格段に下がったということなのですが、ここでは詳細は避けます。”権利証”にあたる「登記識別情報」も重要な必ず保管しておかなけらばならない書類には違いありませんが、不動産業者として声を大にして「失くさないで!」とお伝えしたいのは、ご両親等の被相続人が残された相続不動産を、存命中に買った時の関係書類です。「なぜならば…」に進むにはまず、税金の話に触れなくてはなりません。
 
 
スムーズ10 将来売却した時に"不本意"な税金を払わなくて済む為に→是非&是非…!!!
 
不動産に関連する税金には実は何種類もあって、原則として買った時も売った時も所有している期間も、それぞれの”名目”で課税されて納付することになります。たとえば、取得時なら所有権移転の際、通常は司法書士に払う”登記料”とひと括りにされがちな費用の中には、名義を登記申請する際の「登録免許税」が含まれていますし、売買契約書に張る印紙も税金です。しかし、税額の振り幅が最も大きいのが、売った際に対象となる「不動産譲渡所得税」です。ごく簡単に言えば、取得した額と売却した額との差益に対して、所有期間の長期・短期に分別して各税率を課すものです。要するに、売った金額が取得した(買った)金額を超えなければそもそも譲渡益がない為、課税対象にならない訳です。バブル前後は買った金額より高く売れるのが普通だったのですが、最近は当然ながら、課税されない方が圧倒的に多くなりました。問題は、実際に申告する段での取得価格の根拠となる”証憑”です。
 
結論から申せば、買った時の売買契約書(写しでも可)を提示しないと原則、価格の証明がなされない(最終的には所管税務署の判断になるのですが…)がとして、取得価格はなんと!売却価格の5%になってしまいます。長期の場合でも、地方税を含めば20%の税額(ただし、居住用の特例が適用の場合は控除あり)ですから、ケースによっては目が点になるくらいの税金を払う羽目になることもあります。相続した不動産の場合、取得金額の”証明”は被相続人が買った時の売買契約書になります。相続が発生したら、とにかく亡くなった親なりの当該不動産を取得した時の書類を粘り強く探して下さい。あったら、絶対に失くさないでください。乱暴な言い方ですが、不動産の売却に於いては、いわゆる”権利証”よりも取得時の「売買契約書」の方が遥かに重要な局面もあります。売却に立会う不動産業者としては、せっかく納得の価格で売れても、”不本意”ながら売った価格の2割を税務署に納められた方を少なからず見ておりますので…。
 
買った時の売買契約書が無くても簡単にはあきらめないで…
実際に契約書を失くした方への対処例も参考にどうぞ…
 
契約書がない…
簡単には諦めずに…
 
 
 

知らないと損する!「相続不動産所有期間の留意点」不動産業者からのアドバイス

スムーズ11 固定資産税は誰が払う?共有の場合は売却時トラブルにも… 
 
ここからは相続登記を終えた後、相続不動産を所有している期間に発生し得る、エトセトラについて不動産業者の視点でご留意いただければという項目を挙げてみます。
不動産を相続すれば、相続人には当該不動産の所在地方自治体から、毎年固定資産税が課税(ただし山林や農地のように課税未満で非課税の場合もある)され、だいたいゴールデンウイーク前後に納付通知が発送されます。では、相続不動産を共有で登記した場合、誰に届くでしょうか…。仮に別所帯の兄弟3人の共有名義にしたとすると、3人それぞれには届きません。代表者1名に届きます。それでは、その代表者はやっぱり長男か家系上の筆頭者かというと、実はそうではなく、課税する側の担当課がランダムに決定します。だとすれば、3人兄弟の中で一番経済的に苦しい共有者に請求が毎年届き、それを毎年支払い続けることもあり得ます。課税通知の正しい認識がなく、共有者一人が払い続ければ、当然、負担の不公平が生まれます。問題はそのことを正確に共有者全員が正しく知っているかということに尽きます。
 
スムーズ12 「権利だけでなく"義務"も共有する」がトラブル事前回避のポイント!
 
従って、本来は毎年春に通知が来たら、年間分を均等に負担する合意をとり、代表で誰かが納付するというのが筋です。納付額が微々たるものであれば、そんな細かい取り決めなんか必要ないかもしれません。しかし、年間納付額が10万円で10年間同じ税額だとしたら10年間の合計支払い額は100万円です。共有者全員に正しい認識がないまま、その後の売却時には売却額を3等分したとすれば、代表で払い続けた1人だけ差引きで100万円手取りが少ないことになります。これが原因で、売却の際に兄弟間でトラブルになるケースを意外と見かけます。防止策はなにより、共有者それぞれが所有している限り払い続けて行く固定資産税の負担を、お互い理解しあって納得しているかです。法定相続の共有については、借金は相続しないで財産だけ相続することはできないのと同軸で捉え、「権利だけでなく義務も共有」を忘れないことが肝要かと思います。
 
スムーズ13 固定資産税以外にもいろいろある・・・、相続した不動産を所有する間の負担
 
相続した不動産を兄弟等共有で所有すれば、負担も共有するのは考えてみれば、ごく当然だとは思いますが、では、その"負担"は固定資産税だけでしょうか?不動産を所有している間に課税される、その他の税金としては都市計画税がありますが、これは実際は、毎年春に届く固定資産税の納税通知にしっかりと含まれています。ですから、毎年固定資産税を払っていれば都市計画税も納付していることになります。ちなみに、市街地化がほぼ完成した地区には課税されないケースもあります。また、厳密には一部の市町村では、家屋が建っている不動産に一定要件のもと、居住していなくても住民税が課税される場合もあります。税金以外では、家が建っているのであれば、任意ではありますが火災保険加入の費用や年数回の草刈義務(更地管理義務)に基づく条例があれば、伸びた草の手入れ費用、そして、建物の保守管理・修繕といった労力と金銭を伴う負担が定期的に生じるのが一般です。相続した不動産に建っている家を賃貸人に貸した場合は、その賃料は収益になり、一方で賃貸全般にまつわる諸々の手間も付きまといます。個々のケースでは、もっといろいろと負担といえる範疇のものが出てくるかもしれませんが、共有者間では、細かくてなっても、なるべく互いの周知を心がけることがべターだと思います。お盆や正月など、定期的な兄弟間の集まりがあれば、その場である程度の現状認識を確認し合う慣例を設けておくのも有効です。
 
スムーズ14 相続した不動産が遠方で”空家”の場合は色々と面倒が…
 
相続で不動産を持つと当然、所有している限り、固定資産税を払い続けることになりますが、不動産の管理自体についても何かと面倒がつきまといがちです。土地であれば、千葉県では概ね年2回の草刈が条例で規定されていますし、家の建っている不動産であれば、さらに保守面でのリスク回避や対処の問題があります。まずは、火災や盗難などへの備えとして火災保険、家財保険に加入することは最低限必要でしょう。その上で、無視できないのが日常化している気象災害の類です。近年は、台風シーズンでなくても猛烈なゲリラ豪雨や突風等が、それこそ日常的に発生しています。首都圏でも、強風で物置が倒れたり、雨樋が吹っ飛んだりは全く珍しいことではなくなってきました。
突風で屋根が剥がれた庭の物置・・・
台風で何かが風で飛んできて雨樋が破損…
マイホームであれば、住んでいるわけですから何かあってもすぐに対処も可能ですが、相続などで所有している不動産が自宅から遠ければ、現地をちょくちょく確認できなないでしょうから、もし、強風で物置が転倒していても、しばらくそのままの状態ということが考えられます。まして、転倒した物置が隣の家のフェンスを壊してしまったりすれば、当然補修ということが出てきますし・・・。そこで、千葉に”空家”のある不動産をお持ちで、かつ遠方にお住まいの方へ、当社では千葉県内を対象とした、「空家の安心サポート」を実施しております。年5回、現地の外観を簡易チェックします。現地の管理ではなく、ごく簡易な外からの確認・報告に留まりますので、気休め程度の範囲ではあると思いますが、最低限の”安心"でも届けられる、相続不動産オーナー様とのパートナーシップとして捉えています。詳しくは、下のバナーよりリンクでご参照ください。

最新!「家の補修が保険で無料」詐欺トピックス… 空家ご所有の方もご注意を!

破損要因は台風以外の可能性も否定できずでNG…
 台風直後発見した排水桝蓋等の破損で保険請求が否認されたケース
豪雨や台風といった、自然災害による家屋の損壊を、「保険で無料修理できる」と持ち掛ける悪質業者の被害が急増中!主な手口は以下の通り。
手数料分の上乗せや、嘘の理由で保険金を代行して不法請求
保険金で代金を支払った後も、いつまでも工事に着手しない
解約しようとすると法外な違約金を請求
悪質業者は、"自己負担ゼロ!"を強調するのが特徴だが、実際には火災保険金支払いの対象外で数十万円の自己負担になった等、国民生活センターへ相談が増えているとの事。以上、千葉日報25.6.3掲載より。
火災保険に加入していても、建物の経年劣化や自然消耗は補償の対象外ですが、自然災害による損害も、すべて保険金が支払われる訳ではないので、十分ご留意ください。当社の事例も参考までに…。
 

 
スムーズ15 何かと煩わしい空家の解体を検討する際にお考えいただきたいメリットとデメリット…
 
相続した不動産に建物があれば、前項で述べたとおり物理的な点でメンテナンス・リスクがついて回ります。そこで、「こんなに年中、地震や豪雨、突風があると気が気じゃないから建物は古いんだし、いっそ解体して更地にした方が…」という選択肢が浮かんできます。確かに、ここ数年で千葉県内では”空家条例”の施行する自治体が急増して、管理不全の建物市指定される可能性もありますし、更地にすれば固定資産税が宅地並みに課税されるのを除けば、メンテナンスは通常は草刈くらい(細かく言えば他にもあり 下のトピックス参照)でしょう。しかし、ここでも不動産業者からは「ちょっと待って下さい、慎重に…」と言わざるを得ません。
 
例によって将来売却することを想定すると、安易に建物を壊して更地にしてしまったことで実際の売却時に売りずらかったり、もっと深刻な場合は更地では値がつかない、といった事態も多いのです。地域や土地の広さ等諸要因、さらに売却の時期によっても様々で、確かに一概には言えません。ですが、当社でよく扱う千葉県内の"田舎暮らし"向けの購入層は、千葉ということも多分にあると思いますが、"古家でも家がついている"物件の方が更地に比べ、圧倒的に需要があります。その背景は近県居住の方が安い通行料のアクアラインを使って、菜園や釣りの基地としての"週末住宅"物件を探している方の多くが、「予算は無理せず」を第一条件にしている点にあります。千葉では"プチ田舎暮らし派"が主流で、「気に入った立地で土地を買って、希望の家を建てよう」という"本格派"はめっきり少なくなりました。解体を検討される際は、売る売らないは別として業者に簡易査定を依頼するか、更地にした時の市場性くらいは最低限把握しておいてください。
 
 
 

 ― 閑話トピックス ―   細かいことではこんな困りごとも…

"木更津市"の文字入りがポイント!条例をイメージさせる効果も…
  結局はマナーの問題ですが…
 家屋を解体して更地になったら、余談的ですがもうひとつ指摘を。
犬の散歩コースになっている立地はフンの放置スポットにされがちです。
相続した現地にたまに行ったら、犬のフンがあちこちでは気分が滅入ります。
ペットを飼わない近所の人もイヤな思いをするでしょうし。
ロープで進入できないようにするのも手ですが、物々しい感じも…
とりあえず、警告看板を設置してみてはどうでしょうか。
自治体によりますが、看板と設置柱を無料でもらえるところが多いと思います。
ちなみに、当社事務所の駐車場にも数年前から設置しています…。  
 
スムーズ16 相続不動産を所有している間に変更が生じたら…
 
相続した不動産を所有している期間が長くなれば、相続時に登記した内容に変更が生じる可能性が増します。一番多いのが、転居で住所が変わることでしょう。また、結婚して性が変わることや、登記名義人が亡くなって再度の相続が発生する場合も出てきます。共有者が多ければその発生度合いが増えるので、仮に相続した後10年後に売却することになった場合、住所変更や二次相続の登記の諸手続やらで、すぐに売却出来ないケースも想定されます。従って、住所が変更になった時などは、面倒でもなるべくその都度変更の登記を済ませておくことをお勧めします。特に相続・二次相続の登記手続きは業者の立場から申せば、売却時に行うことは極力、避けた方がよいと思います。
 
スムーズ17 ”名義変更”は登記原因によって税金の問題も…
 
本サイトにお越しいただいた方から、相続登記関連のことでよく尋ねられるのが、登記名義人の変更についてです。一旦相続登記を済ませた後、何らかの事情により、所有者や持分などを変えたいので、”名義変更”の手続きはどうやってやるのかといった内容です。ニュアンスとしては、実際の”手続きの進め方”を知りたいという感じなのですが、まず、不動産の登記を”いじる“ことは単なる”手続”ではないことを知っていただきたいと思います。不動産の登記事項証明書(従来の登記簿謄本)を見ていただくと分かりますが、「甲区」の所有者がAからBに移っている際は必ず「原因」が記されています。通常は売買か相続、贈与になります。つまり、所有者の登記名義人が変更されるには、何らかの必然性を要します。一旦、相続登記で所有者と共有持分を決めてたら、「やっぱり名義はこうしたい」と後から、簡単には”手続”出来ないのです。この辺が不動産ならではなので、要注意です。
従って、登記の”名義変更”を行うには、売買の場合では対価の授受、贈与や相続なら法律行為若しくは法律の発生をを要することになり、登記申請の際にはそれが「登記原因」となります。そうなると、相続人間、登記の共有者間における”事情”で登記を”いじった”後には、それぞれの”成立要因”に応じて税金が課せられる可能性も考えておかなければならないことになります。よって、やはり繰り返しになりますが、相続が発生し遺産分割協議を始める段階では、つくづく慎重に相続した不動産の将来的なこともよく見越した上で、一度登記した後は簡単に変更できないことを踏まえて行うことが大事です。
 
スムーズ18 土地の一部でも”地目が農地”はスムーズな売買の大敵!相続時に最低限は対処の”把握”を…
 
既に述べた建物の未登記がある場合以上に、実際の売買に際して厄介な手続きを要するのが、いわゆる”農地”が絡むケースです。25年以上もこの仕事に携わって、とにかく農地がらみは、複雑・難解・面倒・煩雑・要注意といったイメージがあります。ここでは、農業従事資格者と最初から農地として売買することを目的とした純然たる農地以外の、家が建っているなどの一般物件を対象とします。相続した親の家と土地などの不動産の中に、一部でも”農地”が含まれていたら、売却する場合の大まかな対処の位置付けを把握しておくと、将来の売却時における“スムーズ度”が違いますので、極力、遺産分割に伴う不動産の相続登記時にチェックすることをお勧めします。既に相続登記を済ませ、当分売却の予定はないという方も、事前に”農地”の確認をされるに越したことがないと思います。
  
 
まず、そもそも地目としての農地は何かというと、田、畑であって、山林や雑種地は地目としては農地ではありません。原則、地目が山林や雑種地なら宅地でなくても、通常は売買の所有権移転登記に支障はありません。逆に農地であれば、地目変更するか、農業委員会から何かしらの”移転していいよ”というお墨付きがないと、売買では第三者への移転登記(仮登記は除く)はできません。そこで、”農地”の定義づけの解釈ですが、それからして、売買の際における売主さんと業者、さらに家屋調査士との認識に微妙なズレが生じがちです。いわゆる〝農地か否か”の判断基準ですが、主に3つになると思います。①登記上の地目②固定資産税等の課税上の地目③現況としての地目、の3つです。売却の時に、一番売主さんが”農地か否か”の基準にしているのが、②です。
宅地で課税、市街化区域、周りは住宅街…でも”農地”?
広い敷地だと庭や敷地の一部が”農地”の場合も…
実際、登記上の地目が畑になっていても、「毎年の税金(固定資産税)は宅地で払っているんだからもう農地じゃないよ」という答えが帰ってくることが結構あります。要するに、長年所有している不動産の登記の地目なんて、銀行から借り入れする時に当該不動産に抵当権を設定するなど、特別な事情が起きない限り、なかなか普通の人は登記内容を確認しないはずです。それに対し、毎年春に届く固定資産税通知の課税額が”それなりの税額”になっていれば、通常は”宅地で課税されている”と認識するのはごく当然です。しかし、明細を良く見ると、地目は登記と現況の二通りで記載されています。
  
 
つまり、宅地として固定資産税を支払っていても、登記上農地であれば、売買での移転登記(仮登記は除く)はすぐには出来ず、すなわち、売買代金を手にするには、それなりの手続きを踏まなければならない訳です。そして、その”それなりの手続”が実際は、何通りにも分かれ、1~2週間程度でほとんどタダで済む簡易なケースから、半年1年の期間を要し、膨大な書類と決して安くない費用がかかる事案まで、個別の要件によって手続きが千差万別なのが、”農地がらみ”の厄介なところです。その最大の要因は、農業委員会を経由する農地法でだけでなく、都市計画法が関わってくることです。とにかく複数の法令が絡み合ってくるので、自分の不動産がどの手続きに相当するか判別するのが難しいのです。では、その分類を4通りで大別してみます。 
 
 
 
スムーズ19 市街化区域◎ 調整区域×か▲ 非線引は??
 
農地転用については、難易度が低い順に主に以下の通り分類できると考えられます。
1、都市計画区域内の市街化区域
2、市街化区域と調整区域の線引きがなされていない(非線引き)区域
3、市街化調整区域
4、農業振興地域 
 
まず、1は原則として物件所在自治体の農業委員会への簡単な届出で済みます。概ね1~2週間で受理証が発行されますので、所有権移転の際、司法書士に渡せば他の書類に添えて所有権移転ができます。但し、宅地への地目変更は建物が完成した後、別途申請を要します。3は基本的に農家資格を持った買主への譲渡か、仮登記での売買となりますが、例外や宅地への転用が可能なケースがあります。実際に家が建ったことが無くても、都市計画法が施行される前に"宅地"の既存権利を得ている既造成地や、従来の既存宅地に準じるものは通常、登記上の地目が宅地や雑種地等になっているので、農地法の手続きを経ず特定の第三者への移転登記が可能です。
 
いわゆる"農家住宅"を含め、都市計画法制定以前に家が建っているのに登記上の地目が農地の場合は、農地法5条等の許可を要することになり、少なくともちょこちょこっと片付く手続きではありません。転用できないケースもあります。他、市街化区域に隣接して、各自治体の条例による"連たん"要件を満たす農地は一定の許可を経て、宅地にすることが出来る場合もあります。一連の手続き全部だと、これは開発行為が絡むので半年一年の大仕事です。4は、一言でいえばコテコテの農地になりますので、宅地への転用はまず無理。相続した不動産に農振のかかった土地が含まれていても、換金はできないと考えておいた方がよいと思います。
  
 
さて、問題は2です。これは、まさに個別の要件はもとより、自治体によっても対応が一様ではないこともあります。さらに依頼する家屋調査士にも作業に違いが生じ得ます。宅地へは難しいのでまず雑種地へとか、敷地の一部はどうしても転用が無理で農地のまま売買するしかないとか、もう、事案によって到達点は様々です。2に該当する場合は、不動産業者か家屋調査士から、農地転用の手続きの方向性くらいは相続時に聴取しておきたいところです。いざ売却の段階では若干でもスムーズになると思います。
 
 
 
 

ケーススタディ/いよいよ相続不動産の売却検討段階がきたら…に備える!

スムーズ20 "権利証"を失くした… は、心配なしですが、要注意点はアリ!
 
いよいよ相続した不動産の売却が視野に入ったら、実際に売却を開始する前に色々と下準備が必要になります。相続不動産売却チェックシート(現在作成中)に沿ってご確認いただいた上で、ここではランダムにケーススタディを取り上げていきたいと思います。まず、いわゆる"権利証"を紛失したか手元にない場合ですが、これは結論からいえば、全く心配無用です。最終的な所有権移転時に、司法書士から「当該不動産の所有者本人に間違いなし」の判断をもらえればそれで決着です。従来の保証人2人の制度から比べれば、はるかに簡略になったのですが、厳密には司法書士によって、その"判断"にかなり差異があるということを事前に把握することが重要となります。
 
次項以降でも触れていきますが、この制度は司法書士が"権利証"を持っていなくても、この人を売主だと断定し登記申請とともに、売買代金の授受にまでGOをかけてしまう訳ですから、その責任は重大です。なので、司法書士としても、所有者本人に間違いないかの質疑・問答・確認の"儀式"は過度に慎重にならざるを得ません。通常の本人確認といえば生年月日を尋ねるのが定番ですが、この局面で実際に質問されるのは当該不動産の所有者本人であれば知り得ているであろう事項全般にわたり、司法書士によっては、「そんなことまで聞くの?」というレベルのものもあります。具体的には次項に記します…。
 
スムーズ21 "権利証"ナシの本人確認は司法書士で対応に違いアリ?
 
以下は"権利証"が無い場合の司法書士が行う本人確認で、当社が立会った際の実例です。①生年月日②生まれ干支③隣に住んでいる人の性名④実際に居住した年数⑤当該不動産を取得した時の相続人の数⑥出身地⑦母親の旧性⑧増築したおおよその時期⑨家族の構成⑩本籍地などです。あえて主観で申せば、女性の先生や都心部の先生は一般的にチェックが細かい傾向にあるような感じがします。無論、すべてではありませんが、前者は原則や基準に厳格な女性の特性ゆえでしょうか。ある先生は、ご主人から相続した奥さんが売主のケースで、当社を証人として立会わせた上、録音していました。後者の場合はやはり、一定の法務局管轄エリアで、継続的に取引している業者や金融機関経由の事案が主である地方の司法書士さんに比べ、様々な地区でその都度違う業者からの取扱いが多くなりがちで、どうしても慎重になる為でしょう。
 
ここで肝心なのは、できれば所有権移転登記当日前に、司法書士にある程度は接触を取っておくことです。可能であれば、本人確認の面談及びその他必要書類の確認を済ませておければベストです。立会いの司法書士は通常、買主側の指定になりますので、業者に事前確認を依頼してみて下さい
 
スムーズ22 旧"権利証"と新"権利証"を並べてみました…、呼称も書式形態も全く違いますのでご留意を!
 
"権利証"を紛失してしまった場合は、司法書士の特別な?本人確認が必要ということを述べてきましたが、では、その"権利証"は手元のそれらしき書類の中のどれなのか、最低限は知っておくと後々、役立ちます。自分の経験上で申し上げれば、不動産売買を何度も行っている人や相続などで複数の不動産を持っている人ほど、"権利証の勘違い"が多いということです。本人は、「これが当該取引不動産の"権利証"に間違いなし」と自信満々で取引き当日、司法書士に渡したところ、分筆登記の"登記済"だったケースは複数ありましたし。
 
ご存知の方も多いと思いますが、現在は売買や相続で不動産を取得して登記が上がっても、従来の"権利証"(正確には"登記済権利証")は手元に届きません。いわゆる"権利証″の代わりになるものは"登記識別情報"というもので、登記が完了すると、通常は司法書士が「不動産登記権利情報」と題した型紙の表紙に綴って渡してくれます。要は、そのままいじらず保管し、将来売買などで登記申請する際は、その綴り一式書類を出せば問題なしです。しかし、実際は色々と"それらしき書類″が複数(画像左・中)あり、一度ばらしたり、最初から綴じ込みが無い場合は、どの書類が"権利証"に該当するものか結構紛らわしいので、判別のポイントは把握しておくにこしたことはありません。
 
結論から言うと、画像右端がいわゆる"権利証"です。さらに、当該画像の中の右側が"登記識別情報"で、下にシルバーグリーン調のシールが貼ってあるものです。一方、左側は従来の"登記済権利証"で、法務局の登記済という朱色の受付角印(画像は既に第三者へ移転登記を済ませたもの=カラ権利証なので、もうひとつ登記済の朱印が押印されています)が押してあるのが大まかな判別の目安になります。実際は、各対象不動産の取得時の受付日と受付番号で登記事項と照合しないと、冒頭の他の登記の"登記済印"とごっちゃになりますので、要注意です。それにしても、アナログ世代からすると、オンライン化した後は従前の権利証に比べ、なんとも格式がない感じがしてしっくりきません。
登記完了後の数々の書類。ちなみに、この中に″権利証″にあたるものはありません。
 
 
 
司法書士からの書類はみな重要そうだけど…、″権利証″に相当するのはどれ?
″権利証″の大まかな見分け⇒旧は登記済の朱印、新は下段の目隠しシールが目印!

― 閑話トピックス ―  司法書士の本人確認が厳格になった理由について…

 実は、"権利証"があっても、本人確認は数年前を境により厳格になりました。
現在は万一"事故"が発生すれば、すべての責任が司法書士に回るからです。
仮に売主が偽物で、詐欺事件となれば当然、裁判にも発展し得ます。
その際、登記を申請した司法書士は無論、一番の当事者です。
さらに、従来は法務局にも当該登記の受理責任が問われるケースもありました。
被害者側からすれば、所有者以外の登記を受理したのだから過失ありという訳です。
そこで「法務局は登記を受理するだけで全責任は申請者」を法律にしました。
さすがに、この直後は我々から見ても立会い時の司法書士の眼の色が違いました。
保険証等、顔写真がないものは他にもう一つ必要となったのはその防御策からです。
この辺の裏事情が分からないと、司法書士が神経過敏に見えるかもしれませんね… 
 
 
スムーズ23その1 売却査定は今やネットの時代!されど使い方を誤ると所有不動産の適正額を勘違いすることに…?
 
相続した不動産の売却について共有者の足並みが揃ったら、とにもかくにも売った後、一人頭いくら位が手元に入るのかが焦点となります。よって、まずは所有不動産が大体どの程度で売れそうなのかを知る必要がでてきます。とりあえず、おおまかな相場の把握の段階になる訳で、一昔前までは、不動産業者に会うか、もしくは電話で査定額を打診をするのが定番でした。しかし、今はインターネットの時代です。査定の前段階として、検索サイトで当該不動産の近くや類似の販売物件を見ることもできるので、業者と接触しなくても下調べ程度なら可能です。問題はその先になります。おおむね、このくらいの見当かなといった事前認識を持った後、ネットで査定依頼をとなります。で、実際にネットで売却査定のウェブトを物色すると、実に多くのサイトに出くわします。
 
なかでも最近多いのが、複数の業者への一括査定というものです。サイト運営者のアプローチとしては、トップページにスロットマシーンの画像を張り付けて、より高い査定額の業者を探せるという、いわゆる、車の一括見積の比較をイメージさせているような感じが目立ってきました。主観で言わせてもらえば、これはかなり注意が必要かと。業者の買取金額の提示ならいざ知らず、仲介で販売するのに、初回の査定金額がどこが一番高いかを競合するかのプレゼンテーションは不動産流通においては、首を傾げざるを得ません。極論としては、利用しても参考程度にとどめるのが無難だと思います。では、所有不動産の売却相場を的確に把握するには、どのような手順がベターなのか、ここでは、千葉県内かつマンション以外の土地や一戸建てを想定して、ネット時代の″査定額を勘違いしない″ポイントに触れていきたいと思います。
 
スムーズ23その2  まずはネットでの不動産一括査定の″致命的″問題点について、是非、知っていほしいことを…
 
ネット時代における売却査定活用のレクチャーに触れる前に、まずは、今はやりのネットでの一括見積ならぬ、″複数一括査定″で、「あなたの不動産が一番高く売れる業者を探せる!」的なノリのサイトの、致命的な問題点について列挙します。前項でも引き合いに出した、中古車の一括見積とのはっきりした違いは、車は″下取り″もしくは″買取り″の価格算定(要するにすぐ手元にお金が入る)が通常なのに対し、不動産の査定では、一般的には一定期間を想定しての″仲介″(これから販売開始)で、〝売れるであろう価格〝を算定したものがそれに相当すると解釈されます。となると、まず、現状のサイトをトータルに見れば、以下の点に疑問が生じます。
 
①提示された金額が、成約までにどのくらいの販売期間を要する想定での算出なのか、基準を一律にしていない
②価格算定の根拠となる査定ファーマットを、運営サイトが定めていない→各社独自な書式(根拠提示)で算出している
③査定価格自体が″成約を想定した価格″なのか、とりあえずの″販売開始価格″なのかをあいまいにして、複数業者の査定価格を単純比較できるイメージを与えている
おおまかに言っても、以上3点が挙げられます。
 
言うまでもなく、不動産の流通市場での売買においては、引渡しがすぐ可能かどうかとか、建物内の残置物を残しておくのかどうかとか、確定測量を売主負担で行うかどうかとかで、十万単位、場合によっては100万円を超える金額の差が出てくる訳で、全部とは言いませんが、不動産業界をどれだけ熟知しているかはなはだ怪しい、サイト側の初回問合わせフォームの″必須事項″の情報だけで、どこの業者の査定額が一番高いか云々というのは、少々乱暴なプレゼンのような気がしてならないのですが…。当社の結論としては、不動産査定の本質は、「現地確認」と「売主側の諸条件、諸事情」をトータルにかつ、リアルタイムに考査した上でないと、そもそも不動産売却査定の意味を成さないに等しいと思うのです。
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